近年、脂質を摂った方が長生きできるという論文が発表されて話題になっています。ダイエットという観点からも、あらためて脂質を見直すべきタイミングなのかもしれません。脂質はダイエットの大敵!脂質を控えないとメタボになるから健康にも悪い。そんな常識をくつがえす最新情報をお伝えします。

脂質と長生きについて

2017年12月14日に羽鳥慎一モーニングショーの人気コーナー「そもそも総研」では、「脂肪を摂るほど【長生き】できるって本当?」という特集が組まれました。

情報のソースはイギリスのランセットという医学雑誌で、「総カロリー中35%までの脂質は、死亡率の低下につながる」という内容です。ちなみに、現時点で厚生労働省が定める脂質の摂取基準は20%から30%とされています。

番組内でコメントを求められた東京大学の深柄准教授、桜美林大学の柴田博名誉教授も、脂質はビタミンの吸収に欠かせないこと、脂質が不足した女性が生理不順になりやすいことを指摘しました。

脂質でメタボはウソだった?!

深柄准教授は、厚生労働省「日本人の食事摂取基準」の策定検討会メンバーです。そのせいか、さすがに脂質の基準値を35%に見直すべきとは言いませんでした。しかし、今後見直される可能性は高いはずです。

なぜかというと、この「日本人の食事摂取基準」はすでに、脂質の代名詞ともいえるコレステロールの上限値を撤廃しているからです。また、日本動脈硬化学会も、「食事で体内のコレステロール値は変わらない」という声明を発表しています。

どちらも2015年のことですが、いまだ一般的に浸透していませんね。卵はコレステロールが高いから1日に1個まで!と信じている人の方が多いでしょう。

ダイエット業界の流れも変わる!

ダイエット業界は、医学的な根拠が大きく影響します。今回、医学的に脂質を悪者扱いされなくなったことは、ダイエット業界の流れを大きく変えていくかもしれません。まずは、糖質、タンパク質、脂質の三大栄養素の摂り方について見直すのが大切です。普段の食生活を思い浮かべて、比較してみてください。

ご飯、パンなどの糖質

ランセットの論文には、脂質と長生きに加えて、「炭水化物の摂取増加が死亡リスクの上昇につながる」という内容も含まれています。低糖質ダイエットや炭水化物抜きダイエットが、あらためて脚光を浴びそうですね。

(引用)
エネルギー産生栄養素バランスを定めるには、たんぱく質の量を初めに定め、次に脂質の量を定め、その残余を炭水化物とするのが適切であると考えられる。

厚生労働省「日本人の食事摂取基準/推定エネルギー必要量」

とはいえ、糖質は生きるのに欠かせない三大栄養素のひとつ。欠乏してしまうと、生きるエネルギー自体が低下してしまいます。また、糖質以外に含まれている栄養素も無視できません。

例えば、白砂糖を完全にカットすることには何のデメリットもありません。しかし、ビタミンや葉酸などの栄養素がたっぷり詰まったイモ類なら、食べないデメリットの方が大きいです。

ところで、日本人は昔から米を食べてきたじゃないか!という反論があります。しかし、いわゆる「炊きたての白米に、おみそ汁とおかず」の歴史は、せいぜい奈良時代からです。江戸時代ですら上流階級以外は、麦、アワ、ヒエ、イモなどが主食でした。

タンパク質は欠かせない

健康と美容を維持しながらのダイエットに、タンパク質が欠かせないのはもうご存じですね。カロリーをたくさん消費してくれる筋肉を作るためには必須の栄養素です。また、タンパク質には食欲中核を抑制するはたらきがあるため、満腹感を得やすいのが特徴です。

良質のタンパク質には、卵、大豆製品があげられます。肉類のタンパク質は、トンカツよりもソテーにするなど、調理の仕方に気をつけましょう。

質の良い脂質を摂ろう

肥満が社会問題となっているアメリカでは、一昔前まではダイエットに推奨されていた低脂肪乳やスキムミルクが避けられています。ハーバード大学でも、「低脂肪乳180mlはコーラ120mlと同じ糖分なので健康的ではない」と呼びかけています。

脂質には、悪玉と呼ばれるトランス脂肪酸や飽和脂肪酸と、善玉と呼ばれる不飽和脂肪酸に分けられ、善玉の脂質を摂取しても体重の増加はしないと考えられています。善玉の脂質にこだわるなら、どのような食べ方をすれば良いのでしょうか?

 

・魚はサバやアジなどの青魚にする
・おやつはナッツ類にする
・マーガリンよりバター
・ノンオイルドレッシングをやめる 

 

ぜひ摂りたいオイルは、ココナッツオイル、アボカドオイル、オリーブオイル、グレープシードオイル、亜麻仁油、エゴマ油です。地中海の魚介料理をお手本にすると良さそうですね。

食事内容を見直そう

糖質を控えて、良質なタンパク質と脂質を今までより少し多めに摂る。これをザックリと心がけるだけで、健康的なダイエットを実践できるでしょう。ただ、何事も行き過ぎは禁物です。くれぐれも全体のバランスには注意してくださいね。