リクルートホールディングスの2018年のトレンド予測では、「ピット飲食」というキーワードが発表されました。語呂は良いけれど、いまいちイメージがわかないピット飲食という言葉、一体どのようなものなのでしょうか?時間の使い方が上手な人は、すでに実践しているかもしれません。

ピット飲食とは?

【引用】
ひとりが多様な役割を果たす合い間に、ひとりまたは少人数で頭の切り替えや、つかの間自分らしい時間を持つ目的の飲食
引用先:2018年トレンド予測

リクルートホールディングスが今回提案しているピット飲食は、2つの時代背景が根拠となっています。ひとつ目の根拠は、一人の人間が多様な役割を持つようになったことです。

お母さんでキャリアウーマン、町内会の役員をしながらボランティア活動、帰宅後はネットショップを運営している。例えばこんな多面性のある人が増えているため、役割ごとに気持ちを切り替えたいというニーズが強まるのではないかと予想されています。

ふたつ目の根拠は、政府が推進している「働き方改革」の影響で残業が減り、就業時間が早まっているという調査結果です。仕事が早く終われば、帰宅する人も習い事に通う人も、平日17時から19時台に時間の余裕が発生するはずです。

自分の気持ちを切り替える必要性と、平日夕方以降の時間的余裕。あなたはこの2つの条件に当てはまっていませんか?

ピット飲食で自分をメンテナンスする

ピット飲食の語源は、カーレースのピットインです。ピットインとは、レース中の車がいったん停車し、タイヤ交換や給油、ドライバーの水分補給などを行うことをいいます。いわば車とドライバーのメンテナンス作業です。

すみやかにレースを再開できるよう、いかに短時間で効率的な作業をこなせるかが、ピットインの重要課題です。のんびりはしていられませんが、車体のメンテナンスに手を抜けば即、命にかかわります。

命にかかわるほどの危機感はないにしろ、ピット飲食も「限られた時間で効率的にメンテナンスする」という点が共通しています。そして、メンテナンスするのは車ではなく、自分自身の気持ちの切り替えです。

ピット飲食に適しているのは?

気持ちの切り替えに適しているのはどのような飲食店でしょうか?わたし達が安心してピット飲食できるための条件を考えてみましょう。

一人でもまったりできる雰囲気

ピット飲食は、多少長居しても気にならなくて、リラックスできる雰囲気が必須です。椅子がゆったりしていて、テーブル同士が近すぎないこと。雑誌も充実しているとうれしいですね。まったりした雰囲気を楽しむためには、落ち着くインテリアと急かされないBGMも大切です。

次の役割と場所の関係

会社の帰りに習い事があるなら、まずは教室がある沿線に移動してから、徒歩圏内のカフェで予習するのがおすすめです。一杯のコーヒーで無理なく、キャリアウーマンから一人の生徒へとモードチェンジできそうです。

しかし、町内会やPTA活動の場合は、町内会館や学校に近ければいいというものではないかもしれません。役員仲間と絶対にハチ合わせしないよう、いつもの生活圏内から少しだけ離れた店がベストでしょう。

帰宅後の家事や育児が忙しい人は、夕食の買い物がすんだらフードコートでピット飲食するのはいかがですか?いったん気持ちを切り替えれば、家族に優しく接することができるはずです。これは兼業主婦も専業主婦も同じですね。

ネット環境の充実

ピット飲食のターゲットは、常にバッテリーやモバイルルーターを携帯しているノマドワーカーではなく、ごく普通の一般人です。したがって、店内にタブレットやスマホの充電設備があるか、フリーのWi-Fi環境が整っているかどうかが重要なポイントです。

また、メニューに印字されたバーコードで会員登録すると、当日に使える割引クーポンをもらえたり、その場でワンドリンク無料になったりする店が増えています。

大切なのは、価格より居心地?

リクルートホールディングスのリサーチによると、ピット飲食を利用する人は、価格帯より居心地を重視するのが特徴のようです。確かに気持ちを切り替える貴重な時間は、「自分だけのとっておきの店」で過ごしたいですね。

メニューを頼んでから時間がかかる、一人用の席が狭い、ネット環境や充電設備が整っていない店は、いくら低価格でも徐々に淘汰されていくのかもしれません。

ピット飲食を意識する外食産業

近年、すでにピット飲食を意識している外食産業が目立ちます。バーや居酒屋では、20時前の早い時間帯からピザやおつまみセットなどを提供していますし、スーパーマーケットやコンビニエンスストアでは、フードコートやイートインスペースのネット環境が整えられています。

会社の帰りにコンビニエンスストアで買い物をすませたら、レジ近くに設置されたカフェマシンでひきたてのコーヒーを淹れ、イートインスペースで一休み。このような光景は今やめずらしくありません。これもひとつのピット飲食といえるでしょう。

お一人様でも入店しやすく、まったりくつろげる雰囲気の店が増えるのは、女性にとってありがたいことです。公私ともに役割を使い分けるのが忙しい人ほど、メリットが多いのはないでしょうか?ピット飲食ブーム、ぜひともしっかり定着してほしいものです。