いつもの無難な定番メイクは安心しますが、ときには新しい自分を発見できるメイクをしたくなりませんか?今回は、レトロでなおかつポップなメイクを紹介します。今まで使ったことのない色、描いたことのないラインにチャレンジしてみましょう。初めてメイクをした日のワクワク感がよみがえるかもしれませんよ。

メイクと人類の歴史

人類は古代から、自分の顔や体に動物の脂や草木の汁を塗っていました。寒さから肌を守るため、虫よけや日よけのためです。その後、祭りごとや神事の儀式、部族同士が戦うときには、色や模様も施すようになりました。

現在の日本を見ると、自らの顔に装飾を施す「メイク」という文化は、ほぼ女性の特権とされていますね。不思議なのは、いつも同じタイミングで、私たちの好きなメイクが一致することです。資生堂の調査によると、女性のメイクの流行は、景気の動向を反映しているそうです。

レトロポップメイクの種類

各年代の景気動向とメイクの特徴をまとめました。それぞれ好きなポイントをミックスすれば、あなた独自のレトロポップメイクが見つかります。

元祖ドーリーメイク!60年代メイク

ドーリーメイクの流行は繰り返されていますが、その元祖ともいえるのが60年代です。日本人の生活スタイルはどんどん西洋化され、フランスではヌーヴェルヴァーグ、アメリカではポップアートが真っ盛り。ファッションアイコンは、ブリジットバルドー、ジェーン・バーキン、そして何といってもツイギーでした。

60年代のメイクのポイントは、クッキリとした2重アイラインとつけまつげの囲み目です。下まつげにも、必ずつけまつげかマスカラをつけて、「お人形さんみたいな目」を作ります。眉は細めですがナチュラルに整え、唇と頬の色味はあまり強調しません。ソバカスが見えているくらいの素肌感と、人工的に作りこまれた目元というアンバランスさが魅力なのです。

ナチュラルに楽しむ!70年代メイク

70年代は、さまざまな価値観が入り乱れた時代といえます。キーワードはサイケデリックとヒッピームーブメントです。ロックやパンクと男女同権、マリファナと平和運動、LSDと自然保護、世界の若者たちは権力に反抗し、日本でも過激な学生運動が盛んになりました。

ファッションは、ジャニス・ジョプリンのようなボヘミアンスタイルや自然回帰なフォークロア調が主流。メイクは色とりどりのアイシャドーとチークがポイントで、60年代キュッと上がっていたアイラインはタレ目風に変化します。口紅はベージュがメインで、素肌感をキープします。

ただ日本では、色味のないナチュラルメイクも同時に流行っていました。これには南沙織や山口百恵など当時のアイドルメイクが影響していたようです。「ノーメイクのように見せるメイク」という発想は、70年代に生まれたのかもしれませんね。

女らしくて攻撃的!80年代メイク

バブル景気で日本中がはしゃいでいた80年代。栄養ドリンクを飲んで働きまくり、週末はディスコ、休暇には海外でブランドバッグを買うといった当時の現役世代は、まさに消費の申し子でした。

働く女性のファッションは、肩パットの入ったボディコンシャスなミニのスーツ。ヘアスタイルはワンレングスやソバージュが主流でしたが、今ほどカラーリングはせず、ほとんどの女性が黒髪をキープしていました。

80年代は、女性らしいのに攻撃的なイメージのバブルメイクです。口紅は濃い赤か青みのあるピンク、意思的な太い眉毛がポイント。アイシャドーはピンクや青で華やかに、アイラインとマスカラでキャットアイを作ります。チークはあえて丸くせず、鋭角的に入れるのがポイントです。肌はマットな白肌派と、サーファーガールのブロンズ肌派に分けられます。

もっと昔へさかのぼる?!明治大正モダンガールメイク

モガ、モボという言葉を聞いたことはないでしょうか?モダンガールとモダンボーイの略称で、大正末期から昭和初期のオシャレな若者たちはこう呼ばれていました。また、多くの女性が職業婦人として外で働きはじめた時代でもあります。

街には、耳隠しという退廃的なヘアスタイルの和服女性と、断髪したショートボブでさっそうと歩く洋服のモダンガールが入り混じっていました。日本で「外出時にお化粧をするのはマナー」という考えが、一般庶民に定着したのはこの頃です。

モダンガールメイクは、アーチ型の細い眉とアウトラインを描かず中心部を赤く染めた口紅がポイント。おちょぼ口が舞妓(まいこ)さんや芸者さんのメイクに似ています。アイラインは一般的ではありませんでしたが、代わりにアイシャドーでタレ目気味に目尻を強調します。肌は色白が基本です。

日本の景気が好調なら、女性のメイクは元気なイメージになり、不景気だと退廃的で冷めたイメージになります。また、国の将来に不安を抱くような自然災害があった場合、いわゆる「癒し系メイク」のナチュラルさに人々はひかれるそうです。いつも日本の景気動向を考えてメイクする人はいないでしょうが、わたし達のメイクが未来の予言だと思うと、なんとなく誇らしくなりませんか?