マヌカハニー。食べたことはなくても、一度は聞いたことがあるのでは?まだまだ謎が多く、奇跡の蜂蜜とも危険な蜂蜜ともいわれています。今回は、マヌカハニーに危険はあるのか?あるとしたら何がどう危険なのかを解説します。

マヌカハニーはどんな蜂蜜?

ニュージーランドに、マヌカという樹木があります。その葉や皮、種子は、先住民族マオリ人によって、古くから生薬として使われてきました。ちなみに、マヌカの木はオーストラリアにも自生しています。

1800年代、徐々にイギリス人が住み着くようになったニュージーランドでは、マヌカの木に咲く花々で養蜂が始まりました。当時はただの「味にクセのある蜂蜜」でしかありませんでしたが、やがてマヌカハニーを混ぜたエサを食べた家畜は丈夫で、病気になりにくいことが知られるようになります。

1982年になると、ワイカト大学のピーター・モラン博士が、マヌカハニー特有の抗菌活性を「UMF(ユニーク・マヌカ・ファクター)」と定めました。その後、各国の専門家によって、マヌカハニーの研究や臨床試験は今も続いています。

普通の蜂蜜とどう違う?

蜂蜜には、過酸化水素による殺菌効果がありますが、マヌカハニーはそれに加えて、メチルグリオキサールという成分も含まれているのが特徴です。

蜂蜜の中で唯一メチルグリオキサールを豊富に含んだマヌカハニーには、ピロリ菌の駆除、整腸作用、さまざまな疾患を予防する効能があるとされているのです。

マヌカハニーが危険になるケース

マヌカハニーの危険性についてのうわさは、大きく分けて3つあります。キーワードは、ボツリヌス菌・発がん性・ニセモノ。どの言葉も穏やかなイメージではありませんが、正しく知れば大丈夫!ほとんどが誤解です。

危険な乳児ボツリヌス症

お子さんがいる人はピンとくるでしょう。乳児はボツリヌス菌に感染する可能性が高いので、1歳未満の子どもに蜂蜜を与えてはいけません。母親学級で習いましたね。大人にとっては害のないボツリヌス菌ですが、腸内環境が未熟な乳児のボツリヌス感染は、死に至ることもめずらしくありません。

子どもにマヌカハニーを与えるのが危険なのではなくて、1歳未満の子どもに蜂蜜を与えるのが危険なのです。別にマヌカハニーに限ったことではありません。

危険なメチルグリオキサールの発がん性

マヌカハニーのメチルグリオキサールには発がん性があるので危険、この食べ方なら発がん性を抑えられるといった情報は、残念ながらまだ完全に消え去ってはいないようです。

まず、マヌカハニーの食べ方についてです。焦がすと発がん性があるという説ですが、焦げが体に悪いのは、どんな食べ物でも同じです。また、マヌカハニーは一度に大量を食するものではありません。

次に、マヌカハニーに発がん性があるといううわさの真相です。これは糖尿病患者についての論文が発端となっています。しかし、論文を書いた本人(東北大学の小川晋准教授)が、これを公式に否定しています。

糖尿病患者の体内で生成、蓄積されるメチルグリオキサールには、病を進行させる毒性があるのではないか?という研究があったのは事実です。しかし、それはあくまでも体内で生成、蓄積されるという条件下の仮説です。

マヌカハニーをはじめとした食べ物から摂取するメチルグリオキサールには、病を進行させる毒性など一度も指摘されていません。なぜなら、酵素グリオキサラーゼがメチルグリオキサールの細胞傷害性を分解してくれるからです。

むしろ、マヌカハニーは発がん性どころか抗がん性が期待されています。UAE大学のアル・ハマディ教授のグループによる臨床実験では、正常な細胞を生かしつつ、異常細胞を死滅させるアポトーシス(負の細胞だけ自殺させる生命維持の働き)を確認しています。

危険です!マヌカハニーにはニセモノが多い

マヌカハニーの危険性について、上記の2つは誤解によるものでした。しかし、わたし達が本当に気を付けなければならないのは、この3つ目の危険性「マヌカハニーのニセモノ」なのです。

マヌカハニーの原産地はオーストラリアとニュージーランドですが、マヌカハニーとオーストラリアンハニーの成分は大差ありません。マヌカの木が、オーストラリアではジェリーブッシュなどと呼ばれているだけです。

さて、問題はどう考えても生産量と市場に出回っている販売量が合わないことです。ニュージーランドの生産量が年間1,600トン前後。オーストラリアはマヌカハニーブームの後追いですから、さらに少ないはずです。にもかかわらず、世界中で年間10,000トンものマヌカハニーが販売されています。

おそろしいのは、ただの蜂蜜ならまだしも、蜂蜜ですらないものまで発見されているという事実です。特に、中国産はシンガポールやマレーシアにも出回っているので注意してください。

まとめ

マヌカハニーには、UMFやNPAなどさまざまな審査基準があります。しかし、実際には審査基準にもニュージーランドとオーストラリアの利権争いが絡んでいるため、あまり振り回されるのもナンセンスです。賢い消費者としては、少くともどちらかの原産国にこだわる程度がベターです。